弓道にも様々な流派があり、
主に作法や礼儀を重んじる礼射系と、
実技を重んじる武射系とに2つに大別される。
遠州(今の静岡県付近)を拠点とする迫水流は、
武射系ではあるが実技より演技を重んじることで有名だった。
通常、武射系は流鏑馬(やぶさめ)に見られるように命中率など競うわけだが、
迫水流は矢の高度や飛距離を競う演技があった。
高度を競う時は仰角をつけて空に、
飛距離を競う時は海に向けて水平に矢を射ったという。
この演技について、空に向けて射る矢を「天矢(てんや)」、
海は浜名湾(現在の浜名湖)に向けて射ることから「湾矢(わんや)」と言われた。
だが多人数の演技が行われると、空に海に多数の矢が飛び交うことになり、大騒ぎになったという。
もちろん演技用の鏑矢を使うわけだが、演技と知らずに逃げる者、演技と知って観覧する者と混乱した状態になった。
このことから大勢の人が混乱することを、『てんやわんや』と表現されるようになったと言われる。
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