中国の殷王朝の頃、長安は商業都市として栄えていた。
そのため田舎から出稼ぎに来ている者も多く、
覆水(ふくすい)もその一人であった。
この頃からの風習として、こういった田舎から出稼ぎをしている者は、
先祖の墓参りをするために夏の盆の時期に一時帰郷していた。
ある年の盆のことである。覆水は仕事が忙しく、帰郷する暇が作れなかった。
しかし当時、彼の両親は病で床に伏していて、盆に帰って来る息子の顔を楽しみにしていたという。
そして息子が帰ってこないことが分かると力尽き、盆の間に息を引き取ってしまった。
覆水は親の死に目に立ち会えず、盆に帰れなかったことを悔やんで仕方なかったという。
この故事から、取り返しのつかないことを「覆水盆にかえらず」というようになった。
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